入院後の生活

入院後の生活

精神科の病気の治療では、あまりに調子が悪い時には休むことが大切です。そして、少し元気が出てきたら、病気から回復していくための「知識や行動」を、自分なりに身に付けていきます。そして、退院後もそれらを継続していくことが必要になってきます。
そのため、桜が丘病院では入院生活そのものが治療の基本になるよう工夫しています。何故なら、病気になると体内時計のリズムが乱れ、睡眠が不規則になることで症状がなかなか改善しない方が多いからです。少しずつ体内時計を整えていくためにも、入院生活の中で、自分のできる所から取り組んでいきましょう。最初は辛いですが、次第によい睡眠が取れるようになります。

病棟での1日の過ごし方/例

朝の目覚め

一定時間に起き、光を浴びます。

南館水踏み

足裏刺激で、自律神経を整えます。1日のリハビリのスタートとして、作業療法士による指導のもと水踏みを行います。朝から冷水を歩くことで、脳と身体の目覚めを促し日中の定期的な活動へとスイッチを切り替えます。

朝食

脳に必要な栄養素を摂ります。

服薬

脳のバランスを整えます。

朝のミーティング

布団に戻らず、起きておく習慣をつけます。

日中

回診

主治医の先生と様々なことを話します。

作業療法

こころとからだの体力をつけるリハビリの場です。

面談

専門職(看護師・薬剤師・作業療法士・精神保健福祉士・栄養士・臨床心理士など)による面談を行います。

昼食

脳に必要な栄養素を摂ります。必要な方は服薬もあります。

自由時間

散歩や読書に取り組んだり、同じ病棟の仲間と話したりします。

夕食

脳に必要な栄養素を摂ります。必要な方は服薬もあります。

入浴

リラックスすることで疲れをとりましょう。

就寝

刺激物(スマホなどの光・カフェイン・タバコなど)は避けます。必要な方は服薬もあります。

リハビリの場

運動/心と体の元気作り

入院時は疲れが強い状態です。まずは体を癒し、心の疲れを軽くしていきます。さらに、運動機器や体操を行いながら徐々にストレスに耐えうる心と体の体力を作ります。

ワーク/創作活動:絵手紙・ミザンガ・絵画・ビーズ細工・カレンダー作成

作業活動を通して、「出来た!」という達成感を得て、成功体験を重ねていく事で心の原動力を蓄えます!
また、嫌なことをぐるぐると考えてしまいがちな方なども作業療法士とともに一緒に気分転換方法を考えていきます。

リラクゼーション

ホットパックや呼吸法により心と身体を軽くします。「心地よい」と感じたものを選択し、繰り返し行うことで、今後の日常生活にストレス解消法として活かす事を目指します。

体力増進の会

理事長を中心に病棟スタッフと共に山や川を散策し、美しい自然に癒されながらこころとからだの体力をつくっていきます。そして、退院後の趣味に繋がるきっかけになればと考えています。

体育館活動

北館5階作業療法フロアの体育館では、様々なスポーツ(ヨガ・バレーなど)を楽しむことが出来ます。
中でも、近年はウォーキング活動に力を入れています。ただ歩くだけでは運動効果が乏しいため、正しい姿勢・適正歩幅で体育館内を歩く練習をします。歩くこと自体は手軽に行えるため、退院後も継続して、基礎体力の向上・ストレス解消に役立てることができます。

ヒーリング

身体と心を穏やかにし、疲れを取るための癒しの活動です。
目や耳から入る刺激の量を減らし、少人数で行っていますので、入院初期の方でも心地良く過ごすことが出来ます。ホットパックで肩まわりを温めながら、カフェで過ごすような雰囲気で自分の時間を過ごすことが出来ます。

料理

家事場面での負担を減らす工夫を学び、自信を取り戻します。
料理は献立決めや買い物を行うことから始まり、要領よく調理をこなすことに至るまで多くの要素を含みます。その分負担も大きくなるものです。ここでは管理栄養師確認のもと、簡単でバランスの良い献立の立て方や、負担を減らしながら調理を行っていく工夫について学ぶことが出来ます。また成功へのイメージや実践が、自信に繋がっていきます。

復職準備グループ

客観的に自分を分析する力(自己洞察)や、相手に伝わる言葉の使い方(コミュニケーション)ついて学び、具体的な復職課題に入る前の準備性を高めます。
参加を通して聞く力が育ち、考えが変わるきっかけとなったり、考えの幅が広がります。また仕事上の様々な場面を想定し、自分のストレスに対してどのように対処することが出来るかを考えていきます。回復段階にあるメンバーの存在が希望ともなり、自分を認める力(自己肯定感)を高めることで自信がもてるようになります。

老年期グループ

年齢を重ねるにつれて心や体への負担が増え、高齢者特有の不安を抱えやすくなります。ここでは同世代の集いをテーマとして、茶話会や俳句作りなど、ゆっくりと心地良いペースで活動を行います。特に、懐かしい記憶を題材としたお話の会(回想法)は心の安定に繋がり、回復へのエネルギーとなります。

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