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統合失調症の入院治療

治療の3つの要素

からだ:生物学的治療、こころ:精神的安定、環境:生活上の問題解決。

「からだ」の面、「こころ」の面、「環境」の面に、それぞれ働きかけながら、症状の改善と再発予防をはかっていきます。さまざまな治療法を組み合わせることにより、治療効果が高まります。

 

「からだ」の治療

生物学的治療の実施

統合失調症は、疲れた脳を休ませていくために「休養」をとることが大切です。その上で、適切な薬物療法や修正型電気けいれん療法によって、脳内のバランスを整えていきます。また、入院プログラムは、ご本人の自然治癒力を最大限引き出すことを目的とし、充分な休養(睡眠)・規則正しい生活・栄養のある食事・適切な心身への刺激が保たれるよう計画されています。

薬物療法

統合失調症の方の脳内では、神経伝達物質(ドーパミン等)の働きが向上しているため、お薬の力をかりて、神経伝達物質の量を減らしたり、バランスを整えたりしていくことが必要になってきます。

【統合失調症の治療で使われる薬】

一昔前の薬は、症状を抑えても、副作用が強いというデメリットがありました。しかし、新しい薬は、副作用が少ないだけでなく、傷ついた脳の神経細胞の再生効果があるというメリットがあり、飲み続ける効果が期待されます。

【お薬を飲むときに覚えておいてほしいこと】

  • 1) 副作用を極力避けるため、少しずつお薬の量を増やしていきます。また、脳内のバランスが整って効果があらわれるまでに、お薬を飲んでから2~4週間程度の時間が必要です。このため、お薬の効果があらわれるまでの間、不安になるかもしれませんが、効果が出てくるのをゆっくり待ちましょう。
  • 2) お薬は、人によっては副作用(口の渇き、手足のふるえ、便秘など)が出てきます。患者さんの中には、副作用が不安で、お薬を飲まなかったり、減らしてしまったりする場合がありますが、きちんと主治医に相談しましょう。
  • 3) 統合失調症は、再発の危険性が高い病気ですので、自分の判断で薬を減らしたりやめたりすると非常に危険です。お薬は、症状がよくなっても、再発予防のために少量飲み続けることが必要になってきます。お薬の依存性や習慣性を心配される方もいらっしゃいますが、医師の指示に従って使用すれば問題ありません。

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「こころ」の治療

精神的安定をはかる

こころの病気の治療では、不安や悩みを、ひとりで抱えこまないことが大切です。そのため、医療者との対話が治療の中で重視されています。当院では、ご入院になると、患者さん担当の看護師が決まります。入院中に生じる様々な悩み、日々の生活目標など、親身にアドバイスし、生活を支援します。また、同じ病気の患者さんが集まり、皆で病気の勉強会に参加し、病気の治し方、再発予防を共に学んでいきます。

病気の勉強会

統合失調症の勉強会「らくらくスクール」を定期的に実施しております。統合失調症に対する正しい知識を身につけると共に、ご自分の病気を振り返っていただいております。勉強会を通して「1人で悩まなくていいんだ」「安心して治療を受けられるようになった」「再発予防のためには薬を飲むことが大切だと分かった」などの声が寄せられております。

「環境」の治療

生活上の問題解決

統合失調症は心身の治療だけでなく、患者さんの生活環境を整え、ストレスを減らしたり、ストレスの対処法を学んでいったりする必要があります。当院では、患者さんご本人の生活力を取り戻すリハビリテーションに力を入れると共に、生活サポートの一環として、退院後の生活相談、ご家族支援など、様々な取り組みに力を入れております。

リハビリテーション(作業療法)

精神科でのリハビリテーションを「作業療法(OT:Occupational Therapy)」といいます。
当院では、専門の作業療法士がリハビリを担当させていただきます。

【統合失調症に対するリハビリテーションの目的】

  • 1) ストレス対処法の獲得
  • 2) リラックス法の獲得
  • 3) 対人交流の向上・改善
  • 4) 余暇活動の獲得
  • 5) 生活に必要な技術の向上
  • 6) 自己のペース配分の獲得
創作物など
  • 創作(ビーズ、グラスデコ、塗り絵、書道など)
  • スポーツ(バレー、卓球、ストレッチ、ヨガなど)
  • 園芸
  • 料理
  • ぎんゆうクラブ(俳句・お茶)
  • 音楽鑑賞やカラオケ
  • アロマ
生活支援

専門の精神保健福祉士が、様々な生活の悩みについてご相談にのります。

  • 退院した後の生活について
  • 訪問看護やデイケア等の在宅サービスに関する相談
  • 入院中や退院後の外来治療費など、医療費の相談
  • その他、さまざまな福祉サービスについての相談

【デイケア】

退院後もリハビリを続けていくことが、回復の助けになります。当院のデイケアは、入院中から見学可能で、他の利用者やスタッフと顔見知りになれます。
家族支援

ご家族は、患者さんにとって最大の支援者です。当院では「家族面談」や「ゆうゆうスクール(=病気の勉強会)」を定期的に実施し、統合失調症に対する正しい知識、患者さんに対する関わり方をお伝えしております。また、ご家族自身の心配事や悩みにも、随時ご相談を承っております。

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